スポンサーサイト

--/--/-- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

よあけ

2010/06/10 20:18
.




夜明けが来る頃には
あなたはいないだろうけど。

日が照る頃には
あなたは日の光となっているはず。






風の音もない静かな夜道を歩く。
足音だけが、響き渡り。

「売春か?」
「!!……アンタ、なんでここに」

不意の声に振り返り、身構えてしまう。
顔見知りなのか、すぐに腕を下ろしたが。

「…待っているから」
「え?」
「夜明け。この辺りだと昇るの見えやすいから」
「……ああ、そう」
「どうした」
「別に」

このまま足を進めばいいものを
止めたまま立ち往生する。
見かねた彼女が近寄り、顔を覗く。

「な、何よ」
「付き添いしようか」
「いらない」
「…一人で大丈夫?」
「当然よ」
「……」

目を合わせるも反らしがち。
何を思ったのか、引っ張られる。

「ちょ、何す…、っ!」
「帽子ばっか被ってたらハゲるけど」
「はげてない!返して!!」

手を伸ばしつつ拳をとばす。
交わされ塞がれ、尚も取り返す。
苛立つ彼女を、誘う。

「夜明けがくるまでに、奪ってみな」

互いの拳が、振り上げられた。






「いつでも、待ってるから」
「あっそ」
「姉妹【マキ】は、一人じゃないよ」



「またね」とも、「元気で」とも言わない。

いつものように、拳を突き合って交わす。



照れ臭く、されど寂しそうに笑う貴女を忘れない。
スポンサーサイト



Comment Post

Name:
Subject:
Mail:
URL:

Pass:
Secret:管理者にだけ表示を許可する

Trackback

Trackback URL:
 Home 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。