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くすぐる

2010/05/16 01:28
伊織さんが勤めてちょっとなお話。




「如何なされました?伊織様」
「ぁ、小町さん…」

縁側の廊下を歩いていましたら、
落ち込んだ様子の伊織様がいらっしゃいました。
恐らくまたお気になさっているのですかね…。

「僕って…」
「誰にも覚えてもらえない、ですか?」
「……はい…」

溜め息吐く伊織様の横に寄り、
同じ視線になるよう腰かけました。

「(キュウリマンチョコが切れて)ご立腹の詩織様に(鞘で)八つ当たりされ、行って来いとパシられて買って来たら若頭に貰ってご満喫の詩織様に声かけるも無視されて、空季ちゃんにあげようとしたら逃げられて追いかけるも転んでチョコを落としたらさえ御嬢様に踏まれて何これ邪魔と蹴飛ばされて壁に当たった拍子で今週三本目の眼鏡割れたんですよォォォ!!?もう僕は何をしたんだとっ!!眼鏡は安物じゃないんですからァァァァァ!!!
………はぁ」
「あらあら…、それはそれは」

彼は不憫の予備郡と察していたのですが
ここまで拡大するとは驚きと関心が止まりません。
伊織様には可哀想ですが、何せ人の不憫は糖の味ですから…。ふふっ。

「随分と多忙でしたのね」
「多忙というか退場というかもう…」
「本当に忘れているのなら、伊織様にお手を出しませんよ」
「……何故か悪寒を感じたんですが」
「っふふ、どうしてですか?」
「人によっては真理と心理が異なると言いますかその…、
えっと、あのすみません何でもないです」

少々焦りを滲ませつつも、語る内に
緊張が抜けて安心しているようです。
次第に笑みを浮かべていくので、私も安心します。



…あら、左頬が腫れていますね。
赤みを増す左頬に、手を伸ばしました。

「っ、な、何ですか?」
「こちらの頬、腫れていますね。
冷やさないと膨れてしまいますよ?」
「大丈夫ですよ痛、っァい!!!」
「ほら、痛むじゃないですか」
「今明らかに抓りましたよね!?」
「うふふ、とにかく冷やしましょうか」
「いや大丈夫で、っわ…!」

後ずさる彼の手を取り、引き連れました。
凛々しいお顔が崩れては台無しですからね。

「何より質が大事ですしねぇ、うふふ…」
「はい?」
「いいえ、独り言ですよ」



伊織様のようなお方は、母性が擽られて仕方ありません。
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